ECサイトの売り上げアップを狙う中で意外と忘れがちなのが「カゴ落ち」対策です。
ユーザーが気に入った商品を選んだにもかかわらず、購入をやめてしまうカゴ落ち。放っておくと「アクセスがあるのに、いつまでも売り上げにつながらないのはなぜ…?」なんて事態にもつながりかねません。
しかし「一度はカートに入れた」ということは、何かしらの興味があり購入を希望している可能性が高いはずです。カゴ落ちの原因を理解し、未然に対処できれば購入に至る可能性が高まるでしょう。
どのような対策をすればカゴ落ちを防げるのか、カゴ落ちの原因とその対策について解説します。

EC利用者の7割がカゴ落ちしている

ご自身のECサイトではどれほどのユーザーがカゴ落ちしているのでしょうか。
自分のサイトの数値が高いのか低いのかを把握する意味でも、まずは世間一般のECサイトの平均値を知ることが大切です。
数値で表すものとして「カゴ落ち率」と呼ばれる指標があります。
カゴ落ち防止対策ではこの「カゴ落ち率」をどれくらい下げられたかが目安になります。

Baymard Institute社(アメリカ)の調査資料「41 Cart Abandonment Rate Statistics」によると、世界のECサイトのカゴ落ち率は平均「69.57%」というデータが出ています。
カートに商品を入れたユーザーのうち、10人中約7人は購入を完了せずページから離れてしまっているのです。

※出典:44 Cart Abandonment Rate Statistics より
https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

日本での数値については、株式会社イー・エージェンシーによる平均68.2%という調査結果もあります。[調査期間]2018年4月~2019年3月[調査対象]461サイト

世界を通して見ても約7割ものカゴ落ちが発生しているというのが、ECサイトの現状なのです。

カゴ落ちが起こる理由とは

購入の意思があったのにもかかわらず、カートを放棄してページを離れてしまうことには、どんな理由があるのでしょうか。
カゴ落ちが起こる理由はさまざまありますが、ユーザー心理をもとに、代表的なカゴ落ちの理由をご説明します。

①送料・税金・手数料など追加費用が高すぎた

商品代金を確認したうえでカートに入れたものの、合計金額の画面で「送料」や「消費税」、支払い方法にかかる「手数料」などが加算され、合計金額がユーザーの想定より高かったためにサイトから離脱してしまう…というケースです。

〈対策〉追加費用を極力減らし、事前に費用金額がわかるようにする
たとえば「送料無料」を導入するなど、理想はユーザーにとってコストになる費用を減らすのも一つの手段です。楽天市場では3,980円以上の買い物で「送料無料ライン」を設定しています。しかし、安い物を買った場合は送料が発生しますので、商品の値段に対して送料を高く感じてしまう場合があります。とはいえ、店舗様にとっては購入金額が低いのに、送料まで負担することは厳しく、ユーザーにとっても気になる点です。

  • 送料をなくすのが難しい場合は、あらかじめサイト上に追加費用(送料や手数料)をわかりやすく表示する
  • あらかじめ送料込みの商品代金を設定し、送料無料と表示する
  • 特定の商品に絞って戦略的に送料をゼロにする。→送料ゼロの商品だけを注文されるリスクはありますが、もし「ついで買い」をしてもらえれば、売上アップが期待できます。

②アカウント登録が必要だった

自社ECで多い事例ですが、購入しようとした際に登録作業が面倒で離脱してしまった…というケースです。
多くのECサイトでは、購入するためにアカウントの登録が必要です。一度登録してしまえば次回からクレカ情報や住所を入力する手間がなくなり、ユーザーにとってもメリットが大きいのですが、初回に限っていえばアカウント登録の手間がカゴ落ちを誘発している要因にもなります。

会員登録をせずとも購入可能なECサイトもありますが、サイト運営者からするとお客様にはできるだけ会員登録をしてもらいたいものです。一方ユーザーからすれば登録作業による心理的ハードルが高まってしまい、購入意欲が消えてそのままカゴ落ち、サイト離脱につながってしまうようです。

〈対策〉一番の解決方法として、会員登録なしでも購入できるようにすることが挙げられます。しかし実現が難しい場合は、お客さまの心理的ハードルを越えられるよう「会員登録のメリット」や「なぜ登録する必要があるか」などをきちんと伝えられるような導線を作っておきましょう。また、その際に会員登録フローを簡略化し、登録しやすいようにしておくことも大切なポイントです。

  • 会員登録のメリットを伝える
  • 会員登録方法を簡単にする
  • 会員登録なしでも購入できるようにする

③ 配送日が遅すぎた

商品を購入しようと思ってカートに入れたが、配送日が遅かったために、そのままサイトを離脱してしまった…というケースです。
各モールをはじめ最近のECサイトは、翌日配送やお急ぎ便を選ぶことができ、非常に便利になっています。そのため、購入後から配送までに3、4日だとしても、「配送日が遅い」と思ってしまう人も、少なくありません。

〈対策〉配送手段によって配送日に違いが出れば、そのなかからお客様が選べるようになります。お急ぎ配送のオプションを設けるなどして、商品の到着を急ぐユーザーへの体制も整えましょう。金額が上がっても、配送日を重視するようなお客様のカゴ落ちを防ぐことができます。なかには、即日発送できないもの、予約商品や輸入商品などどうしても配送に時間がかかるものもあります。
その場合は、発送日・入荷予定日はいつなのか、配送までにどれくらいの日数がかかるのかなどを、商品ページに明記しておきましょう。配送までかかる時間がある程度分かるのであれば、ユーザーも安心、納得して購入することができます。
また、配送日や納期を、その日付になる根拠とともに、わかりやすく明記することも一つの方法です。たとえば、「10月~12月までは多忙期となるため、配送までに一週間程度お時間をいただきます」などと記載することにより、お客様も納得したうえでの購入となるので、カゴ落ち対策につながります。

  • 配送手段を複数用意する(ポスト投函やコンビニ受け取り)
  • お急ぎ配送のオプションを設定
  • 配送までの日数を明記する

まとめ

今回は「カゴ落ちの理由や対策」についてご紹介しました。
さまざまな理由で発生するカゴ落ちは転換率に関わる大きな問題の一つです。まずは上記3点から見直してみてはいかがでしょうか。カゴ落ち対策はユーザーの満足度と転換率を向上に直結します。適切な対策を行い、売上アップにつなげましょう。

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