楽天市場でショップを運営している方に新しい広告メニューが登場しました。
それが「検索連動型広告-エクスパンション(RPP-EXP)」と「ターゲティングディスプレイ広告 – エクスパンション(TDA-EXP)」です。
これらの広告は、外部に広告を掲載できる点が従来の広告と異なります。
以前にも楽天市場外での広告サービスはありましたが、今回の注目ポイントは掲載先です。
楽天市場でショップを運営されている方は、ぜひ「検索連動型広告-エクスパンション(RPP-EXP)」と「ターゲティングディスプレイ広告 – エクスパンション(TDA-EXP)」を活用して売上アップを目指しましょう。
RPPエクスパンション&TDAエクスパンションとは?
1.検索連動型広告-エクスパンション(RPP-EXP)について
■検索連動型広告-エクスパンション(RPP-EXP)の概要
楽天が提供する「エクスパンション(RPP-EXP)」は、検索連動型広告の一つであり、従来のRPP広告の制約を大きく変えるサービスです。
<エクスパンション(RPP-EXP)でできること>
・楽天市場以外のサイトにも広告を掲載できる
従来のRPP広告は楽天市場内でしか表示されませんでしたが、エクスパンション(RPP-EXP)では楽天市場以外のサイトにも広告を掲載できるようになりました。この機能により、広告の露出が広がり、多くのユーザーにアプローチできるチャンスが増えます。
・ユーザーが検索したキーワードに最も関連する商品が自動的に選ばれる
エクスパンション(RPP-EXP)では、ユーザーが検索したキーワードに最も関連する商品が自動的に選ばれます。これにより、広告主は自社商品を効果的にプロモーションでき、ユーザーは自分の興味に合った商品を簡単に見つけることができます。選ばれた商品は、RMS(楽天店舗運営システム)に登録されている中からピックアップされるため、正確で関連性の高い情報が提供されます。
・入稿・原稿編集などは一切不要で手間はかかりません。
さらに、広告には商品画像とテキストがセットで表示され、RMSに登録されている商品とその掲載原稿は連動しているため、毎回広告原稿を入稿する必要はありません。価格や商品名の変更があっても、掲載原稿は自動的に更新されますので、再入稿の手間がかかりません。
■エクスパンション(RPP-EXP)の配信先
エクスパンション(RPP-EXP)に登録された商品は、Googleの検索結果をはじめ、様々な掲載面に配信されます。
・Googleの検索結果の「すべて」タブ
・Googleの検索結果の「ショッピング」タブ
・Googleの検索結果の「画像」タブ
・スマートフォン
YouTubeなどのGoogleのサイトに加え、Googleが提携する多数の他社Webサイトにも表示されます。
ふるさと納税商品については、外部媒体の規定により現状では掲載が不可となっております。
■エクスパンション(RPP-EXP)運用のメリット・デメリット
<メリット>
・楽天市場外への認知拡大
楽天市場以外のチャネルを活用し、ブランドの認知度を向上させることができます。
・イベント商品・限定商品のアクセス向上
特別な商品やイベント商品への訪問者数を増やし、売上の向上を図ります。
・費用対効果の検証
広告費用に対して、具体的な成果を確認できるため、効果的な投資が可能です。
・入稿・原稿編集が不要
複雑な手続きなしで、簡単に広告を開始できます。
※楽天市場のショップはこれまで楽天のアフィリエイト(楽天がGoogle広告に出稿)を利用できましたが、アクセスや注文の増加効果を確認できず、費用対効果の検証ができませんでした。
<デメリット>
・本店サイトでも広告を配信している場合は競合してしまう。
本店と競合する可能性があり、売上が分散する恐れがあります。
・認知度が低い商品は効果が弱い
競合が多い市場では、外部施策の効果が限定的となることがあります。
・競合が多い場合、CPCが高くなる
競争が激化すると、クリック単価(CPC)が上昇し、広告運用コストが増える可能性があります。
認知拡大や新規顧客の獲得を目指して、競合商品が少ない店舗の皆様は、ぜひご検討ください。
2.エクスパンション(TDA-EXP)
■エクスパンション(TDA-EXP)の概要
エクスパンション(TDA-EXP)は、楽天グループサービス以外のメディアに配信することができるディスプレイ広告です。このサービスの大きな特徴は、楽天市場内の他の広告と組み合わせることで、より広範囲の消費者にリーチできる点です。これにより、企業は楽天関連サービスだけではアプローチできなかった層にも訴求することが可能になります。
また、エクスパンション(TDA-EXP)を利用することで、ターゲットとなる消費者に対してより効率的な広告配信が実現され、売上の向上や新規ユーザーの獲得が期待できるでしょう。特に、異なるメディアでの広告展開は、ブランドの認知度を高めるだけでなく、消費者との接点を増やし、購買意欲を引き出す効果が見込まれます。
さらに、エクスパンション(TDA-EXP)は広告の効果測定も行えるため、企業はデータを基にした戦略的な運用が可能です。これにより、広告の最適化を進め、費用対効果を最大化することができます。
■エクスパンション(TDA-EXP)の配信先
FacebookやInstagramの多様な配信面に広告が配信されます。
また、楽天市場外配信との違いは楽天市場外配信が楽天グループ内(楽天カードや楽天リンクなど)で行われるのに対し、TDA-EXPは楽天グループ外での配信を行います。
・フィード
フィード広告は、ユーザーがフォローしているアカウントのコンテンツの中に挿入される広告です。これにより、フォロワーのフィード投稿の合間に広告が表示され、多くのユーザーにリーチしやすく、認知度の向上が期待できます。自然な形でユーザーの興味を引くため、エンゲージメント率が高いのが特長です。また、高精度なターゲティングにより、特定のオーディエンスに対して効果的にアプローチできます。
・ストーリーズ
ストーリーズ広告は、FacebookやInstagramで使用される全画面表示の縦型ビデオや画像の広告フォーマットです。通常、数秒から15秒程度の短いコンテンツで構成され、ユーザーがストーリーズを見ている最中にシームレスに表示されます。この全画面表示によって視覚的なインパクトが大きく、高い没入感が得られるのが特長です。また、短時間で強い印象を与えることができるため、ブランドの認知度を高めるのにも効果的です。
・Instagram発見タブ
Instagramの発見タブ広告は、ユーザーが新しいコンテンツを探すために利用する発見タブに表示される広告です。このタブでは、ユーザーの興味や関心に基づいたコンテンツが集められているため、広告も自然に表示され、新しいオーディエンスにリーチしやすくなります。これにより、高い発見性とブランド認知度の向上が期待でき、特に新規ユーザーの獲得に適しています。また、発見タブを使うことで機械学習が進化し、ユーザーが興味を持つ広告が表示されるようになり、コンバージョンにつながる可能性が高まります。
・リール
リール広告は、縦型の短いビデオ形式の広告です。特に若い世代やデジタルネイティブに人気があり、これまでリーチできなかった新しいオーディエンスにアプローチするのに最適です。また、全画面で表示されるため、ブランドのメッセージを短時間で効果的に伝えることができます。
■エクスパンション(TDA-EXP)のメリット・デメリット
<メリット>
・FacebookやInstagram(Meta)を活用することで、楽天内で接触しきれないユーザーにもアプローチでき、認知度を広げるとともに新規顧客を獲得することができます。
・原稿の入稿や編集が不要です。
・日予算や配信ターゲット、入札戦略の設定が簡単で、効率的に配信の調整が行えます。
<デメリット>
FacebookやInstagram(Meta)のユーザーが多いため、予算の消化が早くなります。
様々なメディアに掲載されるため、露出するSNSの顧客層に合わせたページ作成が難しいです。
ターゲットごとに詳細なページ設定ができません。
※より細かいセグメント設定が可能になれば改善されるかもしれません。
エクスパンション(RPP-EXP)&エクスパンション(TDA-EXP)の運用方法
1.入札戦略について
広告配信の最適化設定では、重視する指標を選ぶことができます。設定された入札戦略に基づき、広告配信が自動的に調整され、目的に沿ったパフォーマンスの向上が期待されます。
・クリック重視
広告をクリックする可能性が高いユーザーに最適化配信を行います。
トラフィックを増加させ、クリック単価(CPC)のパフォーマンスを最大化するのに効果的です。
・ROAS重視
購入する可能性が高いユーザーに対して最適化配信を行います。
売上を増加させ、広告費用対効果(ROAS)のパフォーマンスを最大化するのに効果的です。
また、配信を継続することで、CPCが抑制され、ROASが向上する可能性が高まります。ただし、配信初期にはシステムがデータを学習して最適化を進めるため、設定変更は避け、継続的な配信を推奨します。
2.予算の使い方について
<エクスパンション(RPP-EXP)>
広告費用は、広告が表示された時ではなく、クリックされた時点で発生します。
例えば、クリック数が2,000でクリック単価が10円の場合、広告費用は20,000円(2,000クリック × 10円)となります。
CPCは10円から10,000円まで設定可能ですが、低単価から慎重に運用し、予算の消化を抑えることが重要です。キャンペーン予算は最低5,000円から設定できます。
平均CPCは40〜200円ですが、効果が薄い場合は10円から始め、効果が見込める場合に40円に引き上げることを推奨します。また、除外商品の設定を行い、注力したい商品のみを配信することができます。
<エクスパンション(RPP-EXP)>
掲載料金は、広告が表示された回数に基づいて計算されます。この回数は、ユーザーに対してバナー広告が50%以上1秒以上表示された数です。
また、予算は月単位ではなく日単位で管理されており、配信結果やイベントに応じて日ごとの予算を調整することが可能です。入札戦略によって設定できる最低日予算は異なり、「クリック重視」の場合は最低3,000円、「ROAS重視」の場合は最低6,000円から設定できます。
エクスパンション(TDA-EXP)の月予算は次の方法で推定されます。
配信開始前は設定された日次予算にその月の残り日数を掛け算し、配信期間中は前日までに消化した広告費に、設定された日次予算をその月の残り日数分加えた合計となります。
中長期的な配信においては、ROASが向上する可能性がありますので、新しい手法がない時に少しずつ配信することをおすすめします。
また、特定の商品に注力するために、除外商品の設定を行い、配信を希望する商品のみを選んで配信することができます。
3.適している商材について
<エクスパンション(RPP-EXP)>
・競合が少ない商材
競争が激しくない分野であれば、広告が目立ちやすく、より多くの顧客にアプローチできます。競合の少ないニッチな市場に焦点を当てることで、特定の顧客層を狙った効率的なマーケティングが可能です。
・単価が高い商材
高単価の商品は、1つの販売で得られる利益が大きいため、CPC(クリック単価)が高くても利益を確保しやすくなります。逆に、単価が安い商品では、CPCが高いと利益が薄くなりがちです。
・需要があるニッチな商材
特定のニーズに応える商品、例えば「駐車場のマット」などのニッチ商品は、需要が見込めますが、まだ市場に十分な選択肢がないため、独自性を持たせることができます。これにより、特定の顧客層に強く訴求でき、効果的な販売促進が可能となります。
<エクスパンション(TDA-EXP)>
・SNSで注目される商材
コスメや美容関連商品など、SNSでのシェアや話題性を持つ商材が特に効果的です。若い世代を中心に、InstagramやTikTokでの口コミやレビューが購買につながるため、目を引くコンテンツが求められます。
・バナー広告向けの写真映えする商材
コスメやファッションアイテムなど、視覚的に魅力的な商材はバナー広告に最適です。鮮やかな色合いや独自のデザインが強調されることで、ユーザーの目を引き、クリック率の向上に寄与します。
まとめ
今回はエクスパンション(RPP-EXP)やエクスパンション(TDA-EXP)といった外部広告についてご紹介しました。
今後新規顧客や認知拡大を目指す店舗様はこちらの外部広告をぜひご活用ください。
知らない商品を購入する際、不安や既視感を抱くことがあります。そのため、外部施策を活用し「見たことがある」と感じさせることで、楽天内広告のクリック率を向上させ、売上を促進しましょう。エクスパンション(RPP-EXP)やエクスパンション(TDA-EXP)など、外部広告に関するお悩みを抱える運用担当者の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。さらに、楽天市場での売上アップや人手不足の解消に向けた運用代行サービスもご提供しております。
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