楽天市場には多くの店舗が出店しており競争が激しいため、自然検索だけでなく広告を活用して露出を増やすことが重要です。
どれほど魅力的な商品であっても、ユーザーに見つけてもらえなければ購入にはつながりません。
楽天広告を効果的に活用して売上向上の鍵となる「アクセス人数」を増やすことが、売上アップにつながります。
本記事では、楽天広告の種類や特徴を解説し、自社の店舗運用に最適な広告選定のポイントをご紹介します。
1. 楽天広告の全体像を把握しよう
楽天市場で広告の効果を最大化するには、広告の種類や特徴を理解し、目的に合わせて最適な広告を選ぶことが重要です。楽天広告には、集客・認知拡大・リピーター獲得など、さまざまな目的に対応する手法が用意されています。
楽天市場の広告を大きく2つに分類し、それぞれの特徴と広告運用のポイントは以下のとおりです。
① 運用型広告
費用対効果の管理がしやすく、運用に取り入れやすいのが特徴です。
- RPP広告:検索上位表示で集客を強化
- TDA広告:楽天内の興味関心層へバナー表示
- クーポンアドバンス広告:自動セグメントに対し、クーポン付き商品を表示
- 楽天CPA広告:成果報酬型で、購入時のみ費用発生
- メルマガ配信(自動):購入履歴に基づいた自動配信でリピーター施策に有効
② 楽天市場広告
バナー形式の広告で、視認性が高く、認知拡大やイベント告知に最適です。
- 大型イベント広告:楽天スーパーSALEやマラソンに合わせて展開
- シーズナル広告:季節イベントと連動した期間限定広告
- 通常ディスプレイ広告:通年で使えるブランド訴求型バナー
他にも楽天側でユーザーを自動選定し、楽天の公式メールマガジンで商品を紹介するニュース広告(メルマガ型)や、楽天内ROOMでインフルエンサーや一般ユーザーに商品を紹介してもらい認知拡大・売上アップを狙う楽天ROOM広告などもあります。
2. 広告別の基本運用とおすすめシーン
広告ごとの運用方法を紹介していきますが、楽天市場で売上を伸ばしたいなら、まずはRPP広告を最優先で導入しましょう。
これは楽天市場内での検索結果に表示される広告で、お客様が商品を見つけるための主要な経路だからです。
楽天での購入の約7割は、「検索」からの購入と言われています。つまり、検索結果に表示されなければ、お客様に商品を見てもらう機会すら失ってしまいます。そのため、RPP広告はどの店舗にとっても「必須の土台」として、常に運用すべき広告です。
RPP広告をしっかり運用した上で、TDA広告、クーポンアドバンス広告など、他の広告を目的や商品特性に合わせて活用していくと、さらに効果的です。
これから、各広告の詳しい特長と運用方法、活用方法について解説していきます。
RPP広告
楽天市場で売上を伸ばしたいなら、RPP広告を最優先で導入しましょう。これは検索結果に連動し、購買意欲の高いユーザーに直接リーチできるクリック課金型の広告で、初心者でも始めやすいのが特徴です。
運用のポイント
- 想定のキーワードで露出されているか定期的に確認。
- 開店初期はROASを追わず、まずはアクセス数と商品スコアの蓄積を重視。
- データ蓄積後は、効果の高いキーワード・商品に絞って予算配分。
- 露出されている場合、サムネイルを改修しクリック率の改善を図る。
- クリックされても購入に繋がらない場合、商品ページの見直しを行う。
シーン別の活用方法
- 新規顧客の獲得
楽天市場での主要な流入経路である検索結果に表示されるため、まだ店舗や商品を知らない新規ユーザーへの露出を増やし、認知度を高める。 - 季節商戦・イベント時の売上最大化
特定の季節やイベント(例:母の日、お歳暮、楽天スーパーセール)に合わせて検索需要が高まるキーワードを強化する。
TDA広告
過去の閲覧・購買履歴に基づき、興味関心層に配信できる広告です。視認性の高いバナーで商品想起とサイト再訪を促し、特にリピーター育成や再訴求に効果的です。課金方式はインプレッション課金です。
運用のポイント
- バナー画像と訴求文は定期的に見直し、CTR改善を図る。
- 配信条件(商品カテゴリ、訪問日数等)を細かく設定して無駄な配信を削減。
- リタゲに絞った配信。
- 新規顧客への配信は広告効果が出にくい傾向があるため、RPP広告のCPCと比較検討しながら運用。
シーン別の活用方法
- リピーター対策
購入・閲覧履歴に基づき、以前の商品に関連する再入荷や買い替えを促す訴求で再訪を促す。 - イベント連動・セール告知
期間限定の緊急性を伝えるメッセージや、特定のクーポン配布をバナーでアピールし、購買意欲を高める。 - 特定カテゴリへの誘導
過去に閲覧したカテゴリの新商品やセール情報をバナーで告知し、興味関心層の購買行動を刺激する。
クーポンアドバンス広告
楽天が自動で選定したセグメントに対し、クーポン付き商品を効果的に表示します。これにより商品の「お得感」を演出し、購買率アップに大きく貢献する広告です。
運用のポイント
- 利益を圧迫しない範囲で、割引率を設定。
- 表示対象商品は目玉商材・注力商品に絞る。
- 表示頻度と費用のバランスを料率設定で調整。
シーン別の活用方法
- 新商品の「お試し購入」促進
新商品に、クーポンを付与して「お試し購入」を促し、初期の購買ハードルを下げて認知度と販売数を狙う。 - イベント連動で期間限定クーポンを活用
楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどの大型イベントに合わせて、期間限定のクーポンを設定。イベントの盛り上がりに乗じて購買意欲を高める。 - 在庫処分で高割引を設定して一気に売り切る
シーズンオフ商品や過剰在庫品に対し、高割引クーポンを適用。お得感を強く打ち出し、効率的に在庫を消化し、次の商品展開に繋げる。
楽天CPA広告(成果報酬型)
実際に購入が発生した場合にのみ費用が発生する、リスクの少ない広告です。楽天側が最適な配信先を自動で選定・最適化してくれるため、運用に手間がかからず、効率的に成果を追求できます。
運用のポイント
- RMSで商品ごとに「CPA広告を有効化」するだけで設定完了。
- 常時ONでの運用が基本。
シーン別の活用方法
- 開店直後
まだ実績が少なく、無駄な広告費をかけずに売上を積み上げたいときにおすすめ。購入がない限り費用が発生しないため、安心して利用できる。 - 新規商品のテスト販売
売れるかどうかわからない新商品をテスト的に販売したいときにおすすめ。リスクを最小限に抑えながら、市場の反応を探ることが可能。 - 費用対効果を重視する商材
広告費をかけすぎると利益を圧迫してしまうような粗利率が低い商材に活用。購入につながった分だけ費用が発生するため、無駄なくプロモーションが可能。 - 広告運用に時間をかけられない店舗
楽天側が配信先を最適化してくれるため、広告運用に割く時間がない店舗でも、自動で効果的なプロモーションが可能。
楽天市場広告
楽天市場内の特集ページやキャンペーン枠に掲載され、その高い視認性と信頼性を活かして、短期集中の販売促進に最適な広告です。特定のイベントやセール時期に合わせて活用することで、売上アップや新規ユーザーの獲得を狙う。
運用のポイント
- スーパーSALEやお買い物マラソン等、イベントの申込スケジュールを事前に把握。
- 商品タイトルや画像に「季節性」「期間限定」などを盛り込みクリック率向上を図る。
シーン別の活用方法
- 季節商品
母の日、バレンタイン、クリスマス、などの季節イベントに合わせて、ターゲット層に強くアプローチ。- 例: 夏物衣料のセール開始に合わせて、特集ページで大きく露出。
- 短期販売型商品
数量限定品や先着順販売など、短期間で一気に売り切りたい商品に効果的。- 例: 新発売の限定スイーツを、予約開始と同時に目立つ枠で告知。
- 店舗のタイムリーな話題づくりとして活用
メディア掲載や受賞など、店舗にタイムリーな話題がある際に活用。- 例: 「テレビで紹介されました!」商品を特集ページで大きく紹介し、流入を増やす。
- ブランドイメージ向上
特定のテーマに沿った特集に掲載されることで、店舗や商品のブランドイメージ向上に繋げる。- 例: 高品質な国産品を扱う店舗として、こだわりの逸品特集に掲載。
メルマガ(自動配信)
設定した条件に基づき、特定のユーザーへ自動でメールを配信。
手間の削減と安定的な情報提供を両立し、楽天が最適なタイミングで配信するため購買促進に繋がります。
運用のポイント
- ユーザーの行動に合わせた多様なキャンペーンを設定。
- 既存顧客の購買促進だけでなく、長期的な関係構築やロイヤルユーザー育成にも役立つ。
- 件名や本文などをA/Bテストで効果測定し、より効果的なメルマガを追求。
シーン別の活用方法
- 新規顧客へのフォロー: 新しく自店舗で購入した人
購入のお礼や関連商品の紹介、次回使えるクーポンなどを自動配信し、リピート購入を促す。 - 90日以内に購入した人
購入商品のレビュー依頼や、新商品、限定セールの案内などを送り、継続的な購買を促す。 - 閲覧したカテゴリー
セグメントしたカテゴリーの新着商品やセール情報、関連するおすすめ商品を配信することで、購買意欲を高める。 - 購入などのアクションのない休眠顧客
特別な割引クーポンや限定キャンペーン情報などを送り、再来店や再購入を促す。
まとめ
売上を伸ばすためには、多くの店舗が出店している中で、自然検索だけでなく楽天広告を効果的に活用し、アクセス人数を増やすことが重要です。
どれほど魅力的な商品であっても、ユーザーに見つけてもらえなければ購入には繋がりません。
本記事では、楽天広告のそれぞれの特徴と運用ポイント、さらに具体的な活用シーンを解説しました。
RPP広告を検索経由の流入を増やすための「必須の土台」として常に運用。
その上で、新規顧客獲得、ブランド認知拡大、リピーター獲得といった目的に応じて、TDA広告、クーポンアドバンス広告などの多様な広告を組み合わせることで、さらに高い効果が期待できます。
自店舗の状況や目的に合わせて最適な広告を選び、効果的な運用を行うことで、売上向上へと繋げましょう。
キャプテンECは楽天運用の教育ツールとしても活用されています!
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