SKUプロジェクトとは
楽天市場のSKUプロジェクトは、商品の管理番号(SKU)をまとめて、商品情報を一元管理の運用とするプロジェクトです。
サイズ別やカラー別で同じ商品を一つのページにまとめることで、楽天市場の購入者がほしい商品を見つけやすくなるなど 、運用面よりも特にユーザーメリットが多い機能です。
▼楽天市場ページ画面イメージ
SKUでまとめる商品のグループ
商品を統合する際は、下記のようなグルーピングでまとめる運用が一般的です。
・同じ金額の商品をまとめる方法
└サイズ違い、カラー違い、フレーバー違い
・同じ商品だが販売価格が異なる商品をまとめる方法
└サイズ違い(上記との違いは、例:S~Lは同じ金額だが、LL以上は金額違う場合)、
個数違い、セット商品
金額も内容も全く違う性質の商品をまとめると、SKUの選択が複雑になり、楽天市場の購入者にとっても店舗運用者にとってもわかりにくいページとなってしまいます。
機能として同じ商品であることや、同じ価格であることなど、ある程度同様の規則性をもった商品を統合するのが良いでしょう。
SKUプロジェクトのメリット・デメリット
楽天市場におけるSKUプロジェクトの導入は、販売実績やレビューを統合することによるメリットがある一方で、検索表示やキャンペーン運用の面でのデメリットも存在します。
■楽天市場でSKUを統合した際のメリット
・販売実績:各商品バリエーションの販売実績をまとめる方法があるため、商品全体のスコアが向上します。これにより、楽天市場の検索結果での表示順位をあげる効果が期待できます。
・レビューをまとめられる:バリエーションごとのレビューを一つのページに統合することができるため、レビュー件数が増加します。
レビュー件数は楽天市場における検索対策の観点で非常に重要な要素となるため、アクセス数アップや、転換率アップに繋がります。
・バリエーション導線の明確化:サイズや色違いのバリエーションが分かりやすくなり、お客様が目的の商品を簡単に見つけやすくなります。
・価格競争で有利に働く可能性:
SKUで統合した商品の場合、検索一覧画面の価格の記載は「◯◯円~」と表示されるようになります。
例えば1本~6本など、本数による金額違いの商品を統合した場合、「〇〇円~」に入る金額は1本の値段となります。
そのため、6本セットへのアクセスに対する、価格によるクリックのハードルを下げることになり、結果的に6本セットにおける楽天市場での価格競争の面で、有利に働く可能性があります。
■楽天市場でSKUを統合した際のデメリット:
・クーポンやポイントの制限:
SKU別でクーポンやポイントを設定することができないため、SKU別で個別のキャンペーン運用を行うことができなくなります。
例えば、赤色と青色の商品で楽天市場のページを統合した場合、どちらかのカラーだけクーポンの対象とすることや、どちらかにだけポイントを付与することはできません。
例外として、金額が異なる商品を統合した場合、クーポンに対象商品+価格条件の設定を加えることで、一部のSKUでしか使用できない状態のクーポンを発行する方法もあります。
・セールサーチの審査の複雑化:
楽天市場のスーパーSALE開催時に申請できるセールサーチに合格するためには、全てのSKUで審査を通す必要があるため、申請関連の運用が複雑になります。
・検索一覧での面の確保:
SKUをまとめることにより、楽天市場の検索一覧画面に表示される商品数が少なくなるため、全体的にSKUをまとめる前よりも表示回数が減少します。
そのため、いわゆる「検索画面を面で取る」といった検索対策の方法が狙いにくくなります。
▼SKUで統合していない場合:楽天市場の検索画面で3面表示
▼SKUで統合した場合:楽天市場の検索画面で1面表示
・商品点数の減少:
SKUをまとめることにより、見かけ上の商品点数が減ります。
これにより、多くの商品を取り扱っている印象が薄れ、楽天市場内での店舗としての規模感が小さく見えてしまう可能性があります。
SKUを統合することで、購入者にとっての利便性は向上するため、統合は前向きに検討するべきですが、デメリットもきちんと理解した上で進めることが重要です。
一方で、楽天市場においてSKUをまとめない方が良い店舗や商品は、例えば下記のような事例が挙げられます。
■楽天市場でSKUをまとめない方が良い店舗、商品
・SKU統合により楽天市場の店内の商品数が極端に少なくなる店舗
商品数が少ないと、店舗の品揃えが乏しく見え、お客様の興味を引きにくくなります。
・SKU別で価格差が大きい商品
価格差が大きいと、最安値表示がお客様を誤解させ、期待外れの高価格により購買意欲を損なう可能性があります。
・4つ以上のバリエーションが必要な商品
多くのバリエーションが一つページに統合されると、お客様が目的の商品を見つけにくくなり、かえって利便性が低下します。
これらの点を考慮し、運用している店舗がプロジェクト実施に向いている店舗か、またどのようにまとめる方法が適切かを慎重に判断する必要があります。
SKUプロジェクト対応後に商品スコアを落とさない方法
①販売実績をまとめる
SKUプロジェクト対応後に商品スコアを維持・向上させるためには、販売実績をまとめることが重要です。
これまでの注文受付数はページを統合した後も引き継がれ、これが検索結果に影響を与えます。
公式には公表されていませんが、売れている商品は検索結果で上位に表示されやすい傾向があります。
そのため、ページを統合する際は、販売実績も集約されるような方法でまとめることで、商品の露出度を高めることができます。
■販売実績をまとめる方法
1.統合先のページにバリエーションを登録する。
2.SKU管理番号を入力して確定を押下する。
3.SKU情報を取り込む」のボタンを押下する。
4.取り込みたい商品管理番号のSKU管理番号を入力する。(完全一致でないとヒットしないため注意)
「情報を取り込み」を押下することで、取り込み先の商品に販売実績もまとめることが可能になります。
注意点
SKU統合はCSVファイルで一括で登録することも可能ですが、販売実績はまとめることができません。販売実績をまとめるためには上記の方法で対応を行う必要があります。
②レビューをまとめる方法
レビューの件数も楽天市場における商品スコアに影響を与えると言われています。
レビュー数が多い商品は、楽天市場の検索画面において競合に比べて信頼を得やすく、アクセスアップの効果が期待できるため、ページを統合した際はレビュー移行も必ず行いましょう。
レビューの移行は楽天に申請を行い、許可を得ることで実施が可能です。
申請フォーマットはRMSの店舗Naviにて配布されています。
申請から移行が完了するまでは数営業日程度かかり、商品や状況によって異なります。
申請期限は、2025年1月31日(金)AM9:59となっておりますが、申請書類不備で差し戻しになる可能性もございますので、余裕を持って対応を行うのが良いでしょう。
レビュー移行後は、古い商品ページからのレビューがなくなります。移行後はもとに戻すことはできませんので、申請の際はミスのないように対応しなければなりません。
その他、まとめる際に確認すべきこと
① 受注システム側の対応
SKUプロジェクトに対応する際は、受注システム側での再マッピングが必要になります。
SKU管理番号が変更されるため、これに対応するためのマッピング作業が不可欠であるためです。
SKUを統合する際は、再マッピングのタイミングが楽天市場のイベントと被ることのないよう、スケジューリングして進めることが重要です。
② SKU画像
ページを統合した後には、SKU画像の設定も検討する必要があります。
最初の段階では急を要しませんが、後追いでSKUごとに適切な画像を設定することが望ましいです。
SKU画像を設定することにより、お客様は自分が今どの商品を選択しているかを確認することができるため、顧客満足度の向上や、転換率向上が期待できます。
なお、SKU画像についても画像のガイドラインに従う必要がありますのでガイドラインを遵守して作成しましょう。
③ SKU名の変更
ページをSKUで統合した後、バリエーションごとの価格差を明確にするために、SKU名の変更を検討する必要があります。
例えば、別のSKUを選んだ際に「+〇〇円」といった具体的な金額をわかりやすく表示することで、顧客は価格情報を容易に把握できるようになります。
▼ギフトラッピング有りで+300円の例
SKUプロジェクトの影響で最終価格が分かりづらくなることがありますが、SKU名に補足を入れることで、追加金額がわかりやすくなり、お客様は迷わずに購入に進むことができます。
楽天市場のSKUおまとめ対応のスポット対応承ります
楽天市場においてはSKUをまとめることで、次のようなメリットがあります。
1.売上とレビューの集約:類似品を同じ商品ページにまとめることで、売上やレビューが一つに集まり、商品全体の評価が上がります。
2.ユーザーに優しい:サイズや色違いの商品が一つのページで見やすくなり、欲しい商品を簡単に見つけられます。
3.価格競争に有利:検索結果に最安値が表示されるため、ユーザーの目に留まりやすくなります。
デメリットとしては、SKU別のキャンペーンができないことや、検索結果での表示回数が減ることがあります。
しかし、これらのデメリットよりも、ページ統合した場合による利便性向上のメリットの方が大きいため、基本的にはおまとめすることをおすすめします。
SKU統合の際は販売実績やレビューをまとめる方法を採用することで、商品スコアを落とさずにページのまとめることが可能です。
しかしそれらの実施においては運用担当者の対応すべき事項が多く、普段の業務にそれを追加で行うことは、難しいという運用担当者も多いかと思います。
ベイクロスマーケティングではSKUおまとめ対応のスポット対応を承っております。
SKUをまとめるべきかどうか、どの商品をどこまでまとめるべきかといったご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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