楽天を運用する上で大切な要素と言えるのが商品のラインナップです。ユーザーニーズを汲み取った商品は、次第に店舗の売れ筋商品となってくることでしょう。
ただ主力となる商品が育ってきたところでいずれ天井がみえてきます。そのような場合は既存商品の積極的な広告運用、SNSの活用など、主力商品以外を育てるための対策が必要となってきます。商品の売上を分散させることで長期的な売上アップを期待することができます。
しかしそれでも売上が主力商品に集中してしまうことはよくあることです。それではあまり売れていない、ただ自信をもって提供できる商品たちを効率よくPRする方法があるのでしょうか?
その答えが今回ご紹介する「おまけ企画」です。お得感を強く打ち出して多くのお客様にお試しいただくこと可能な施策で、リピーターの獲得にも期待がかかります。
今回の記事を参考にぜひ取り入れてみてください。
おまけ企画の例
まずは店舗が実際におこなうおまけ企画の事例をみていきましょう。
楽天市場内で「おまけ付」と入力するだけで多数の商品がHITするので、実施するタイミングで他店の情報を参考にするのも成功の秘訣です。
今回22年1月末時点で販売されたおまけ付商品をピックアップしました。
コーヒー豆販売店
良質なコーヒー豆に加え、圧倒的なコストパフォーマンスで人気を博しているコーヒー豆販売店の福袋。セット内容は「ライト」「マイルド」「ビター」の通常ラインナップのドリップバッグコーヒー3種で、それぞれ20杯分ずつ入っています。
これだけみたら、一般的な詰め合わせにしか感じない方も多いかと思いますが、こちらの商品には最高級豆を使用したドリップバッグコーヒーがおまけとして2杯分付いています。
通常ランクの豆と特別感のある高級豆で比較できることがポイントになっています。通常手を出さない商品でも、おまけで付けることによってお客様に新たな体験を提供します。
おまけの商品を気に入ったお客様は今後単品買いをすることでしょう。
魚介類販売店
かす漬けや炊き込みご飯など天然の魚介類を生かした商品を展開する店舗では選べるおまけ商品があります。
定番の漬魚12切(3種×4切れ)に加え、セットとは異なる2種類の内一切れがおまけとしてついてきます。
おまけを一つに固定するのではなく、お客様の好みや気分で選んでもらうことができるので、商品自体の期待値も高まります。今後のリピートに繋がる可能性も高くなりそうです。
おまけ企画で気を付けるべきこと
人気店舗が実施しているおまけ施策が大体把握できたと思います。おまけをつけることで主力商品以外の新しい体験をお客様に提供することが可能になります。積極的に実施していきたいところですが、おまけ企画を行う上で気を付けるべき点もあります。しっかりと事前に抑えておきましょう。
おまけは商品価格の20%以下
おまけ企画はそのお得さから転換率を高める有効な方法でもあると言えます。ただおまけだからと言って、自由に商品を選ぶことはできません。
豪華なおまけをつけて本商品よりも過大にPRしてしまうことなどは「景表法」に引っ掛かる可能性があります。
景表法の規制対象の一つに「総付景品」があります。「総付景品」とは一定の条件を満たした場合にプレゼントされる景品のことを指します。
おまけ商品も購入という条件を満たした場合にプレゼントされる景品となり、「総付景品」に該当します。
「総付景品」では対象商品の取引価額(購入額)によって上限額が変わります。
取引価額が1,000円未満の場合、上限額は200円、取引価額が1,000円以上なら取引価額の20%を景品(おまけ)となるように定められています。例えば2,000円の商品に対しおまけを付ける場合は400円以下の商品であることが条件となります。
違反をした場合は楽天からペナルティを受ける場合などもあるので、施策として実施するときは必ず景表法を念頭にいれておきましょう。
景表法が例外となる場合
「コスメを購入したら、サンプルがついてきた」、「開店セールで買った商品に記念品がついてきた」。このような場合は景表法の対象にはなりません。これは商慣習として公に認められているためです。取り扱う商材によってこの区別をしておくと心配ありません。
おまけ企画の効果を高めるコツ
おまけ企画の準備がこれで整いました。実施するなら多くのお客様に商品を購入してもらい新しい商品をPRしたいところです。さて続いてはおまけ効果を高めるコツをご紹介していきます。
期間限定にしてイベント感を出す
おまけ付き商品を常時販売するのもよいですが、お買い物マラソン限定で施策を実施するなど期間限定で行ってみましょう。限定感を打ち出すことで転換率アップに期待がかかります。期間限定で実施する際には、専用のバナーを作成し、トップページやSP共通バナー、商品ページ内からの導線を強めてアクセスを集めることが有効的です。
RRPやクーポンアドバンスなどの運用型広告、イベント限定の楽天市場広告なども併用しながら露出を行うことで、期待以上の売上を作れるかもしれません。
おまけ商品に選択肢を持たせる
先述の事例のように、おまけ商品を複数から一つ選ばせることで転換率のアップ、リピートへの期待へと繋がります。おまけを一つに固定した場合、お客様にとってその商品が気にいらなかったり、そもそも欲しくない商品であった、、、という可能性もあります。しかし“商品を選ばせる”ことで少なからず商品に対する好意や期待の感情を持たせることができます。お客様の好みにマッチすれば、その商品単体でのリピート、売上UPへ繋がっていくことでしょう。
同ジャンルをおまけにする
極端ではありますが、「カレーセット(ハヤシライスおまけ付)」にするのと「カレーセット(干物付)」にするのではお客様の意にそぐわない可能性が高いです。お客様にとってほしい商品と似たようなジャンルの商品がおまけとしてついてくるのであれば、通常よりもお得感を感じます。
同ジャンルのおまけ商品をつけることで、今後合わせ買いしてくれる可能性も高まり客単価アップにも繋がります。
全く異なるジャンルの商品を選定する場合は、複数の商品から選ばせてあげると良いでしょう。
売れ筋商品を育てるおまけ企画を実施しよう
今回は楽天市場の運用において、自社の商品をPRするためのおまけ企画について掘り下げました。おまけ企画は自社の中で、マイナーの商品、新商品をPRするのに最適といえます。実施する上では景表法を守る必要がありますが、規制さえ守れば常時販売していくこともイベント時だけ限定で販売することもでき、実に汎用性が高い施策です。売上の軸を複数作るためにもぜひ積極的に実施してみてください。
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