楽天市場の店舗運営で、売上づくりは大きな命題です。売上を上げるためには、手を止めずに次の一手を打ち続けることです。ただ、闇雲に進めてしまっては、売上は作れません。そこで、店舗の現状を知り、分析し、次の行動を起こします。
今回は、楽天市場の店舗運営で次の一手を見つけるための方法。根拠ある施策を打つための方法をお伝えします。
RMSの情報を元に、数字の見方について説明します。
こちらのページに行き着いた方は、「どうやってRMSの数字を読み解けばいいのかわからず、悩んでいる」という、楽天市場店舗を運営をしている担当者や、スタッフの人だと思いますので、中でも簡単に始められる確認ポイントをご紹介します。

売上とアクセス数の分析から、接客力を確認する

1アクセス数の推移を確認・分析

売上の方程式は、売上=アクセス数×転換率×客単価です。
まず最初に確認していきたいのがアクセスの状況です。

店舗のアクセス数は伸びていますか?アクセス数が足りない場合は、増やす施策を考えます。RMSではアクセス数を見るメニューが多数存在しますが、推移を直感的に確認できるのは「データ分析>アクセス・流入分析>店舗全体」です。
推移グラフや、アクセス人数の前年・前月比が確認できます。
端末選択で表示を切り替えして、アクセス数が下がっているのが全端末なのか?一部端末なのか?など端末による差異がないかも分析していきます。

昨月、昨年と比べてアクセス数が増えていないようでしたら、店舗全体項目内の「参照元・検索キーワード分析」から、より細かく現状を調べていきます。
このページでは期間(日次、月次)、端末、エリア、顧客属性、参照元について確認することができます。

2検索キーワードを分析

検索キーワードを確認します。このキーワードは、店舗に来ているお客様が、「何を求めて」お店に来ていたかがわかります。店舗運営の中で、「売りたい」と考えている商品があるかと思いますが、キーワードと商品で差異が出ていませんか?出ているようなら、キーワードのメンテナンスが必要です。売りたい商品の関連キーワードがなければ、店舗内にそのキーワードがそもそも設置されていない可能性もあります。売りたい商品に関する、購入者にとって探しやすいキーワードを設置しましょう。
また、店舗によっては、売りたい商品とは違う商品のキーワードが多く結果に出ていて、かつ、実際にそれらの商品が売れている場合もあると思います。「売れている商品の売上をさらに伸ばす」というのも大事です。
売りたい商品と違う場合もあるかと思いますが、売れない商品より売れる商品の売上を伸ばす方が、売上を上げる上では近道です。楽天市場の店舗運営での作業優先度は、売れている商品のメンテナンスだと割り切って施策・対策を打っていきます。
キーワードから、売っていく商品やテコ入れすべき商品の現状を確認したら、次は該当商品ページの現状を見に行きます。

★POINT★

参照元・キーワード分析のページで、検索キーワードの順位確認の下に、「流入キーワードの関連キーワード・ユーザートレンドはこちらへ」というリンクがあります。こちらから、サジェストキーワードを確認することができます。楽天市場全体で、検索されているキーワードでの、結果になりますのでぜひ追加設置しておきましょう。また、タグID登録したほうが良い商品も教えてくれるので、こちらも設置しておきましょう。できるだけ楽天市場の検索結果で探されやすい工夫(タグIDの設置など)は行った方が良いです。

3商品ページ分析:転換率分析

「データ分析>アクセス・流入分析>商品ページ」です。ここでは、商品ページごとに売上の方程式にそった表示が出ています。アクセス数があるのに転換率が低いページはないか確認しましょう。アクセス数があるということは、お客様は楽天市場という大量に商品がある売り場の中から、該当商品を選んで見に来てくれたということです。しかし、買われていないということは、ページ内に問題があるということです。検索結果に「価格」も表示されているので、価格が1番の問題ではないはずです。アクセスしたからには、ある程度価格については同意済みのお客様がアクセスしていると考えます。購入していないということは、ページの接客力が弱いと判断できます。
ページに商品購入を決定できるようなコンテンツが少ないおそれがあります。商品情報は十分にありますか?ついついエビデンス推しにしてしまいがちですが、1番大切なことはベネフィットの方です。商品利用シーンを想起させるコンテンツを設置しましょう。商品を買うことで、顧客が得られる「メリット」の部分についてメインで伝えていきましょう。

★POINT★

アクセスがあるのに、転換率が低い。そんな時、「データ分析>アクセス・流入分析>商品ページ」の該当商品の箇所から「商品分析の詳細へ」に進みます。次にデータ推移のタブから顧客属性のタブに切り替えてみます。ページに設置した情報と、アクセスしてくれている顧客の属性で、差異はありませんか?

例1)
DIYに興味がありそうな男性向けにページを作っていたのに、実際には主婦層(30・40代女性)が多くきている。

例2)
流行りのオシャレなデザイン(若いデザイナーがページを作成)にしていたが、顧客は年配の男女だった。顧客に対してページのデザインは文字サイズも小さく、情報が解りにくくなっている可能性がある。

ページに情報があっても顧客とページ情報がマッチしているかの確認まで行います。
ゆくゆくは獲得顧客層を増やすのも良いかと思いますが、まずはアクセスしてくれている顧客が買いやすいページ作りをしていきます。

自店舗の売上と、競合店の売上を分析する

楽天市場の店舗運営で大切な売上アップのために、RMSの数字の確認方法とそこから次の施策の進め方をお伝えしましたが、そもそも売上についても分析していく必要があります。
RMSのTOPや店舗カルテにて、現在の売上・アクセス人数・転換率・客単価が確認できるので、自然と目に入っているかと思います。
売上を作るためには市場調査や競合調査も必要です。そもそも楽天市場内で、ベンチマークしている店舗はありますか?
売上の方程式はもちろんですが、楽天市場の中で運営しているので、競合店舗の分析も必要になります。競合店舗がどんな施策・どんなページ作りをしているかなども確認していきましょう。また、競合店舗の売上についてですが、他店の売上をピンポイントで知ることはできません。しかし、RMSの分析用レポートというメニューから参考数字を見ることができます。

分析用レポートの比較対象データを活用する

楽天RMSのメニュー「データ分析>店舗カルテ>分析用レポート」から分析用レポートのページを開きます。表示項目のメニューから確認したい主要指標にチェックを入れます。そして、比較対象データを選びます。同じ商品ジャンルでTOP10の店舗(平均値)のデータも合わせてみることができるようになります。売上上位の店舗は、どのくらいのアクセスをとっていて、どのくらいの売上を得ているのかなどが解ります。
また、自店舗と同じ月商や少し上の月商の店舗など、月商の価格を指定して、比較分析することもできます。

例1)
日別レポートで、比較対象データを指定して売上金額やアクセスを確認。
ワンダフルデーの日に自店舗では売上が立っていないが、競合店舗や上位店舗ではワンダフルデーで売上が作られている。

例2)
月次レポートで、比較対象データを指定し、売上金額やアクセスを確認。
夏場は商材的に売れないと思って、自店舗の売上低迷を甘んじていたが、競合店舗では夏場もしっかり売上できている。(つまり、工夫次第で夏場に売上がつくれる。競合の夏場の売り方などを確認しに、ベンチマーク店舗のページ作り、オファー、設置キーワードを見に行く)

など、競合と自店舗の売上の数字から、いろいろ分析でき、次に確認する場所や対策するヒントが隠されています。

RMSの数字から、どう仮説をたてるか?

楽天市場で店舗運営をしていると、イベント対応がメインになってしまって、なかなか分析までできていない。売上もイベントでしかたたない。といった店舗が多いかと思います。RMSの数字を読み解くことで、イベント対応の合間を使って効率的な施策を行っていきましょう。無理なく、無駄なく自店舗でできる施策を考えて実行していくには、数字の根拠が必要です。
RMSで数字が確認できるのは知っているが、どこを見ていいかわからない。数字を元に、どう考えていけばいいかわからない。という店舗のために、「読み解き」と「その時に行う施策例」を挙げつつ、確認ポイントをご紹介してきました。ぜひ次の施策のヒントにし、店舗改善にお役立てください。

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