2021年8月1日(日)より、医薬品医療機器等法(通称:薬機法)への違反広告(虚偽・誇大広告)に対して、課徴金制度が導入されました。
規定に違反する虚偽・誇大広告を行った場合、対象期間中における該当商品の売上高の4.5%が課徴金として課されます。

これは法律によって定められているものなので、楽天市場の店舗・商品ももちろん対象となっています。

薬機法によって取り締まっている商材は、化粧品、医薬部外品、医薬品、医療機器、健康食品、健康雑貨などです。
運営店舗でこれらの商品を取り扱っているようであれば、改めて不適切な表現がないか確認するようにしてください。

楽天市場が定める薬機法関連商材の取り扱いに関するガイドライン

楽天市場では、店舗運営者向けに薬機法関連商材の取り扱いに関するガイドラインを定めています。
薬機法がよく分からないという店舗運営者は、まずはこのガイドラインに準拠しているかを確認してみてください。

なお、楽天市場の店舗は日本人向けに商品を発送(販売)をしているため、店舗運営者が海外法人であっても日本の薬機法の対象になります。
海外法人が運営する店舗であっても、薬機法ならびに楽天市場の定めるガイドラインを遵守する必要があります。

楽天市場の定めるガイドラインについて、解説していきます。

1:遵守事項

1.【楽天市場医薬品・健康食品等必須記載事項】

■対象
医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品・健康食品・ダイエット食品
 

■必須記載事項
楽天市場では、医薬品・健康食品等においては以下の記載を必須としています。

※海外製(海外で製造された商品)の場合は、原則として原産国を明記しなくてはなりません。
ただし、1商品で複数の原産国がある場合で、個別具体的な原産国を明記することが困難な場合に限り、原産国の代わりに「海外製」と記載することが許されています。
※健康食品については原産国の記載が必須になります。
※「原産国」とは当該製品を製造した事業所の所在する国の名称をいいます。
原材料の産地となる国やパッキングなどがおこなわれた国ではありません。

  1. 広告文責(社名・連絡先電話番号)
  2. メーカー名、または販売業者名(輸入品の場合はメーカー名、輸入者名ともに記載)
  3. 日本製か海外製か(アメリカ製 など)
  4. 商品区分(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品・健康食品・ダイエット食品)

 

〈商品区分ごとの必須事項〉

以下は、商品区分ごとの必須事項確認表です。
商品によって記載事項が変わってくるので、運営店舗で対象の商材を販売している場合は必ず確認しておきましょう。

なお、楽天市場では必須項目の表示無をシステムで検知しています。
画像では設置していることが判定できないため、必ずテキストにて設置する必要があります。

2.【商材審査】

■対象
医薬品、医薬部外品、医療機器、健康食品、化粧品、ペット用品(シャンプー、ペットフード、サプリメント)

■販売前の事前審査
上記対象商品は、販売する前に、事前に楽天市場側での販売審査が必要になります。
※ 海外の化粧品・医薬品・医薬部外品、または医療機器の輸入販売にあたっては、厚生労働大臣の許可が必要となります。

2:商材別遵守事項

楽天市場のガイドラインは、法律の表現をすべて網羅・記載されているわけではありません。
ですが、過去に行政から何度も注意があったものについては、NG表現として情報共有されています。

楽天市場が公開しているNG表現を一部ご紹介します。
対象商品を扱う店舗の運営者は、これらの表現は使用しないように注意してください。

1. 健康食品

健康食品はあくまで食品ですので、効果効能を標榜することはできません。
たとえば「○○に効く」などの表現は不可となります。

主な禁止例
・高血圧、糖尿病、不眠などの具体的な病名を挙げ、「治る」「改善」「予防」というような効果効能を出して販売すること
・老化防止、血液サラサラ、バストアップなど、商品を摂取することで、身体が変化するような表現で販売すること
・商品を摂取したことで、大きな変化があらわれているような画像を掲載し、販売すること(※)
・「代謝アップで痩せる」「体質改善によって痩せる」など、商品を摂取することでダイエット可能なように見せて販売すること
・架空の体験談や、販売者に都合の良い部分だけを掲載した体験談などの掲載(不当表示にあたるおそれがあるため)
・デトックス茶など、たとえそれが商品名であったとしても、医薬品の効能範囲を謳うこと(薬機法違反になる場合があるため)

その他にも様々な禁止事項がありますが、医薬品ではない食品においては「摂取によって身体が変化する」というような表現ができないことを覚えておきましょう。

※マイナス●kg減などと具体的な数字を出した場合、誇大広告として薬機法とは別の景表法違反になる恐れもあります。
※「1カ月で10kgダイエット」など、通常では起こりえない短期間での劇的変化を謳うことは、不当表示になるおそれがあります。
※「世界的に認められた」など、根拠がないのに実証されたような表現をした場合、不当表示にあたるおそれがあります。


 

2. 特定保健用食品/栄養機能食品/機能性表示食品

特定保健用食品

特定保健用食品(通称:トクホ)は、販売時に個別審査を受け、厚生労働大臣より特定の保健の目的が期待できる商品として、その効能表示の許可を受けた食品です。
トクホの商品は、許可を受けた範囲であれば商品ページ等で効果効能を表示することができます。
ただし、同一の成分を含む商品であっても商品ごとに審査が必要なため、許可を受けていない商品では効能表現を記載することはできません。
 

栄養機能食品

栄養機能食品は、下記の条件を満たした場合に限り栄養の機能を表示できる制度です。

条件
・定められた栄養成分を規格基準の範囲で含有していること
・容器包装に決められた表示をしていること

 

機能性表示食品

機能性表示食品とは、機能についての科学的根拠を、販売事業者が消費者庁に届け出している食品のことです。
機能性表示食品として認められると、科学的根拠基づいた機能性について、製品パッケージや楽天市場の商品ページなどに表示できるようになります。

3. 化粧品

■化粧品の効能の範囲
化粧品は、表現しても良いとされる効果の範囲が限られています。
販売広告において表現しても良い範囲は「医薬品等適正広告基準」で細かく定められています。
ここから逸脱しているものはNG表現となり、取り締まりの対象になります。

■違反と判断される表現
化粧品は医薬品ではなく、また美容医療でもありません。
そのため「肌の老化を防止する」「シミを消す」「シワを消す」というように、物理的に肌そのものに変化を与えるような表現は薬機法違反になります。

楽天市場のRMSでは、楽天市場が独自にまとめた【NGワード集】をダウンロードすることができます。
化粧品を販売する店舗運営者は、このNGワード集に載っている表現はしないようにメンテナンスしておきましょう。

まとめ

今回は楽天市場が独自に定めているガイドラインと、楽天市場で配布されているNGワード集について解説しました。
サプリメントと化粧品について具体例を挙げて説明しましたが、薬機法(旧 薬事法)の範囲は広く、ペットフードや健康器具などもその対象です。

楽天市場で仕入れ商品を取り扱っている店舗では、メーカー側が用意したコンテンツをそのまま使用していることもあるかと思います。
表現については「メーカーが用意したコンテンツだから安心」と考えず、薬機法や楽天市場のガイドラインに違反した表現がないか、必ず確認するようにしてください。

万が一、国から行政指導を受けた商品を楽天市場で販売している店舗があれば、速やかに表現を修正する必要があります。
もし表現を修正しなかった場合、「楽天市場の店舗に対し、直接指導をおこなう可能性がある」と国が楽天市場側に通達しています。

行政指導を受けた商品が出た場合、その商品を取り扱っている店舗に対し、楽天市場から【啓発・注意喚起(広告の修正または削除)を目的としたメール】が届きます。
このメールを無視した場合、課徴金を課されたり楽天市場からの退店処分を受けたりする可能性もありますので、楽天店の店舗運営者は楽天市場からのメールを見逃さないように気を付けてください。

楽天市場で店舗運営を行う場合、薬機法をはじめとする法令や、楽天市場のガイドラインを遵守することが大切です。
店舗運営者の方は、運営している店舗の商品ページにNG表現がないか、いま一度確認してみてください。

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